ougarairin’s diary

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関係性と名前

関係性と名前
名前のない関係性とか特別とか, 割とこの界隈だと頻出単語となっているので, 言葉遊びをここでしてみることとします.

関係性

名は体を表すというのであれば, その名前には意味を持ちます. 言霊を信じるのであれば, その名は霊的な力を持ちます.
人が相手に対し名を与えることは, その存在を初めて現実たらしめる行為ともいえるかもしれません.
裏を返せば, その相手に対してそうあるように行動を束縛する呪いでもあると考えられます.

さて, マイノリティにおいて束縛や規範ほど恐ろしいものはありません. 特に認められる必要はなく, ただ自由に生きたい...
そんな時, 外部から"名を与えられる" という呪いは冷酷な鎖として体に巻き付くことでしょう.

この束縛はした人間には可視化されません. ある眼鏡をかけた人間にしか見ることが出来ないのです.
しかし, この眼鏡を人にかけさせることは, 現実的には不可能に近いことがほとんどです.「昨日まで服を着て生活してきた人間に, 今日から服を脱いで生活をするように命じる」ぐらい難しい印象を抱いています.

では, この束縛から逃れる方法は, 呪いを防ぐ盾はないのでしょうか?
イデアの一つとして, "無" の呪いを自らにかける, という手法があるのかもしれません . 目には目を歯には歯を, 呪いには呪いをもって返す. 個人的にはすごく美しい返しだと思います.

特別

名前に, 言葉に力があり, 拘束力があり, 人を呪う力があるというのであれば, 利用することで人を操ることが可能です.
分かりやすい例が「好き」だったりします.
やがて君になる を履修している方であればその意味が痛いほどわかるのかもしれません.
他に出てくる例としては役職呼びとさん付けの関係でしょうか?

toyokeizai.net

しかし, "無"の呪いを自らに課している場合, 社会的に, 一般的に浸透している関係性の言葉を借りて相手に呪いをかけることはできません.
では, それでも相手を繋ぎとめるために, 使うことができる呪いはないのでしょうか?
きっとその一つが"特別"ということなのでしょう.
2人にとってその関係がどのようなものでも, ブラックボックスとして隠してしまったとしても, 特別という呪いは相手にかけ続けることができます.

最後に

名前にはグラデーションがあると個人的には考えています. 例えば同じ「好き」だとしても, その向きと大きさは人によって違うと考えられます.
このように名前は決してスカラーではなくベクトル(もしかしたら行列やテンソルかも?)であることがあり, 仮にスカラーだとしてもその値は定数ではありません.
あなたの思っているその名前は相手にとっては違う重みをもっているのかもしれません.
多様性が謳われるこの時代, はっきりとすべて表すのではなく, 曖昧に, 遊びを持たせて表現することも, 必要なのではないかと思います.

appendix

ヘンな名前を付けないで... www.nicovideo.jp